江戸名所図会 王子の神社めぐり・その2(東京都北区)
王子神社(王子権現)・金輪寺
八代将軍徳川吉宗のお気に入り王子神社
鎌倉時代、この辺り一帯(豊島郡)を支配していた豊島氏が勧進して王子神社ができたそうです。豊島氏から北条氏へ、そして徳川家と保護され寄進をうけていました。
江戸時代には八代将軍吉宗が王子神社を度々訪れています。
吉宗は飛鳥山と王子神社に桜を植樹し、やがてこの辺りは江戸の桜の名所として多くの人が訪れるようになりました。
※王子神社は、紀州熊野三社権現から勧進したお寺です。吉宗は紀州出身の為、特に贔屓にしていたのである。
関神社(髪の神様)は昔からあった
江戸名所図会の中、王子権現本社の右横辺りにいくつか末社があります。そこに関明神の表記を発見!
関明神は今の関神社のこと。珍しい髪の神様です。毛の塚「毛塚」があります。
関神社とは、百人一首で有名な蝉丸が神様。あのツルツル坊主です。「髪の祖神」です。
蝉丸の姉「逆髪姫」のために髢(かもじ)・鬘(かつら)を作ったという伝説により、髢、鬘や床山業界(髪を結ったりかつらを作ったりする)関係者に信仰があります。
関神社を囲う石の柱の名前を見ると、かつら屋さんや毛のまつわる人たちからの寄付が多いみたいです。
髪の神様なんて珍しいですね。
金輪寺は江戸時代以前、王子神社を管理していたお寺です。
王子稲荷の隣に金輪寺(きんりんじ)という寺があります。
この寺は徳川歴代将軍の御膳所を務める格式ある寺院です。また、王子神社・王子稲荷神社の別当でもあります。別当とは、神仏習合が行われていた江戸時代以前に、神社を管理するために置かれた寺のことです。
つづく